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インジケーター類
インジケーター類の構成部品の点検
機能に異常が見られる場合は、すべての使用条件のもとで装置内部の接続を確認する必要があります。 そのためには、スイッ
チコネクターを主要配線から切り離す必要があります(セクション6-1、
車両の配線の取り回し
)。
アナログまたはデジタルマルチメーターを使って、スイッチの分析を行います(セクション6-13、
マルチメーターによるエレクトリカルシステムの点検
)。
参考
同様の点検は、DDS診断テスターでも実施できます(セクション6-13、
DDS 診断テスター
)。
左ハンドルバースイッチの点検
左ハンドルバースイッチを取り外すには、スクリュー (1) を緩めて外し、エレクトリカルシステムとの接続を外します。
色の記述は、スイッチから出るケーブルのものであり、主要配線の色ではありません。
HORN ボタン (警告ホーン)
青/白および茶色のケーブルにマルチメーターの端子を接続し、HORN ボタンを押したときの連続性を点検します(マルチメー
ターの機能について、セクショ6-13、
マルチメーターによるエレクトリカルシステムの点検
参照)。 HORN ボタンを押したとき、マルチメーターに表示される抵抗値は、ほぼゼロに等しくなるはずです。また、マルチメーターにその機能があれば、連続性を示すビープ音が鳴ります。 HORN ボタンを押していないとき、抵抗は無限大となり(ボタンの内部の電気接点が開いている)、ビープ音は鳴りません。 このようにならない場合は、交換してください。
ターンインジケーター表示灯 (Turn)
ターンインジケータースイッチから出ている灰色および茶色のケーブルにマルチメーターを接続し、右側インジケーターを作
動させたときの連続性を点検します(マルチメーターの機能については、セクション6-13、
マルチメーターによるエレクトリカルシステムの点検
参照)。 左ターンインジケーターについても同じ作業を繰り返します。この場合は、オレンジおよび灰色のケーブルにマルチメーターを接続します。
ロービームおよびハイビーム(DIMMER)
上記と同じ手順で、マルチメーターのプローブを次のケーブルに接続し確認を行います: (
赤/青および水色/黄色
)
コントロールスイッチ (MODE)
インストルメントパネル機能選択スイッチから出ている茶色および青/黄色のケーブルにマルチメーターを接続し、ポジショ
ン(
s
)のボタンを作動させたときの連続性を点検します(マルチメーターの機能については、セクション6-13、
マルチメーターによるエレクトリカルシステムの点検
参照)。 マルチメーターをケーブル(青/黄色およびオレンジ)に接続し、その他の
ポジション(
t
)のボタンを作動させ、同様の作業を行います。
パッシングランプ (PASSING)
赤/青および茶色のケーブル間の連続性を確認します。
左側スイッチを取り付け、スクリュー(1)を2.5Nm±10%のトルクで締め付ます(セクション3-3、
フレーム締め付けトルク
)。
ハンドルバー右側スイッチの点検
ハンドルバー右側スイッチを取り外すには、スクリュー (1) を緩めて外し、エレクトリカルシステムとの接続を外します。
色の記述は、スイッチから出るケーブルのものであり、主要配線の色ではありません。
エンジンストップボタン (ENGINE STOP)
マルチメーターを使って、赤/白および赤/黒のケーブルの連続性を確認します(マルチメーターの機能については、セクショ
ン6-13、
マルチメーターによるエレクトリカルシステムの点検
を参照)。 ボタンを
RUN
の位置にしたとき、これらの2 本のケーブルには連続性がなければなりません。 ボタンを
OFF
の位置にしたとき、これらの2 本のケーブルには連続性があってはなりません。
このようにならない場合は、
ENGINE STOP
スイッチが正しく機能していないので交換する必要があります。
スターターボタン (STARTER)
エンジンストップと同じ手順で確認を行います。STARTER ボタンを押したときの青/白および黒のケーブルの連続性を確認し
ます(マルチメーターの機能については、セクション6-13、
マルチメーターによるエレクトリカルシステムの点検
)。 連続性がない場合は、
STARTER
ボタンが正しく機能していないので交換する必要があります。
右側スイッチを取り付け、スクリュー(1)を2.5Nm±10%のトルクで締め付ます(セクション3-3、
フレーム締め付けトルク
)。
STOP スイッチ (フロントおよびリア)、ニュートラルスイッチ、オイルプレッシャースイッチ、クラッチ
スイッチの点検
STOP スイッチ
フロント(1)およびリア(2)STOPスイッチの機能を確認するには、マルチメーターを使用し、フロントおよびリアブレーキを
操作したとき、それぞれのスイッチの端子間に連続性があるか(ポジションA)を点検します(マルチメーターの機能については、セクション6-13、
マルチメーターによるエレクトリカルシステムの点検
を参照)。 ブレーキを放したとき、それぞれのスイッチのターミナル間に連続性があってはなりません(ポジション B)。 このようにならない場合は、部品を交換してください。
ニュートラルランプ
ニュートラルスイッチ(3)の機能を確認するには、次の手順に従ってください。
インストルメントパネル上ではニュートラルランプが点灯しない。
ニュートラルスイッチに挿入されている電気接点を取り外します。 パネルをオンにし(イグニッションキーON)、端子をアース
に接続して、ランプが点灯するかどうかを確認します。 これでランプが点灯する場合は、ニュートラルスイッチを交換します。 点灯しない場合は、パネルをオフにし (イグニッションキー OFF)、ニュートラルスイッチとエンジンコントロールユニット間の連続性をマルチメーターで確認します。
インストルメントパネル上にニュートラルランプが点灯したままになる。
パネルをオンにし(イグニッションキーON)、ニュートラルスイッチに挿入されている端子を取り外します。 これでランプが消
灯する場合は、ニュートラルスイッチを交換します。 依然ニュートラルパイロットランプが点灯したままの場合は、パネルをオフにし(イグニッションキー OFF)、ニュートラルスイッチとエンジンコントロールユニットをつなぐ部分がアースに接続されていないかどうかをマルチメーターで確認します。
オイルプレッシャーセンサー
エンジンオイルプレッシャーセンサー(4)の機能を確認するには、次の手順に従ってください。
DDS診断テスターを使用し、エンジン潤滑システムの油圧が規定値であることを確認します(セクション6-13、
エンジンオイルプレッシャーの点検
)。
エンジンオイルプレッシャーが規定範囲内でない場合は、潤滑システムの構成部品を点検し、必要な修理を行います。
エンジンオイルプレッシャーは規定の範囲にあるが、エンジンオイルプレッシャーが低下してもランプが点灯しない場合は、パ
ネルをオンにし(イグニッションキーON)、エンジンは停止した状態で、オイルプレッシャーセンサーから端子を外し、アースに接続します。 これでランプが点灯する場合は、センサーが機能していないことを意味します (要交換)。 ランプが点灯しない場合は、センサーランプとインストルメントパネル間の連続性をマルチメーターで確認します(この点検は、イグニッションキー OFF、すなわちパネルをオフにして行います)。
エンジンオイルプレッシャーは規定範囲内であるが、エンジンオイルプレッシャーの低下を示すランプが常に点灯している場
合は、パネルをオンにし(イグニッションキーON)、エンジンを始動して、オイルプレッシャーセンサーから端子を外します。 これでランプが消灯する場合は、センサーが機能していないことを意味します。 パイロットランプが消灯しない場合は、センサーとインストルメントパネルをつなぐ部分がアースに接続されていないかどうかをマルチメーターで確認します (この点検は、イグニッションキー OFF、すなわちパネルをオフにして行います)。
クラッチスイッチ
クラッチスイッチ(5)については、STOP スイッチと同じ手順で確認します(この章の冒頭を参照)。
電球の交換
ターンインジケーターの電球の交換
スクリュー (1) を緩めて外し、カバー(2) をターンインジケーターマウント(3)から取り外します。
電球はバイヨネットベースタイプなので、取り外すには押しながら反時計回りに回します。
マウント(3)を取り外すには、フロントターンインジケーターに関する記載はセクション6-4、
ヘッドライトの交換
を、リアターンインジケーターに関する記載はセクション7-18、
テールランプ - ナンバープレートホルダーサポート- ナンバープレートホルダーユニットの取り外し
を参照して下さい。
交換した新しい電球は、押しながら時計回りにカチッという音がするまで回して取り付けます。
バルブカバーを取り付けます。このとき、突起をマウントのスリットに挿入してください。
スクリュー (1) を締めます。