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 Spare parts catalogue
重要
この章の中で太字で記載されている部分は、本文の横の写真ではなくこの分解立体図を参照する必要があることを示します。
APTC クラッチユニットの概要
APTC はトルクを制御し、ブレーキ時に安定性を保つクラッチシステムです。
このシステムの優れている点は以下の通りです:
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APTC システムはクラッチドラムを形成する 2 つの部分の間のらせん状にキー溝のついたカップリングにあります。
このカップリングはエンジントルク(エンジンが加速している状態)またはブレーキ作動(エンジンが切り離されている状態)の軸にそった構成部分を利用し、前者では抑制を後者ではジャンプ防止を生成します。
実際のメカニズムは以下のようになります。つまり、加速時(エンジントルクの力を受けているとき)にはクラッチプレートパックには最大に負荷がかかっており(スプリングによって負荷がかかる。最初は負荷が少ない。)、一方エンジンが切り離されたときは、ブレーキトルクは、ディスクのスリップを誘発してスプリングの負荷を減少させます。
クラッチ内部部品の作業を行うときは、まず機能の異常を確認してから、その部分を集中的に調整するとよいでしょう。
クラッチやクラッチ解放システムの異常は、次のような原因によって発生します。
クラッチが切れない場合:
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クラッチが滑ってしまう場合:
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クラッチの雑音がひどい場合:
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APTC クラッチの取り外し
 
3 つのツール(88713.2591)をハブの所定の位置に締め付けます。
固定スクリュー (1) を緩めて外し、ワッシャー (2) とスプリング (4) を抜き取ります。
プレッシャープレート (5) をクラッチプッシュロッドピン (3) とともに抜き取ります。 必要な場合は、適切な直径のドリフトを使って、プレッシャープレート (5) の内側に取り付けられているベアリング (6) も取り外します。
 
クラッチハウジングをツール(部品番号:88713.2556)で固定し、固定ナット(8)を緩めてはずします。
安全ワッシャー (9) を取り外します。
ハウジング (A) からハブ - ディスク - ドラム一式 (B) を抜き取ります。このとき、再び取り付ける際に同じ場所に取り付けられるように印をつけておいてください。
ハウジング (A) からスペーサー (11) を抜き取ります。
ハブ - ディスク - ドラム一式の分解
3 つのツール(88713.2591)を緩めて外します。
ドラム (10) からハブ (13) とディスク (7) を抜き取ります。 3 本のスプリング (12) も取り外します。
ハブ (13) からディスクパック (7) を抜き取ります。
重要
クラッチプレートパックを取り出すときは、元の順序のままプレートをまとめておいてください。必要な場合は、まとめて縛っておいてください。
APTC クラッチ構成部品の点検と確認
クラッチハウジングとドライブプレートの間のクリアランス
ドライブプレート(A)をハウジング(C)の内部に組み入れ、フィラーゲージでクリアランス(S)を測定します。
クリアランス "S" は0.6mm 以下でなければなりません。
規定の値になっていない場合は、プレートを交換し、必要に応じてハウジングも交換します。
クラッチプレートの点検
クラッチプレートには、ヒートによる黒ずみ、溝、変形などがあってはなりません。
ドライブプレート (摩擦素材でできたもの) の厚さを測定します。 3.2mm以上でなければなりません。
重要
プレートパックの厚さの合計は50.2mm以上でなければなりません。
 
プレートを平らな面の上に置き、フィラーゲージで変形の度合いを点検します。
平面との最大許容公差は 0.2mm です。
プレッシャープレートの点検
ベアリング (6) の状態を点検します。 過度な遊びが見られる場合は交換してください。
プレートパックのトップにあるドリブンプレートとの接触面を点検します。 プレートパックのトップにあるドリブンプレートとの接触面を点検します。損傷が激しい場合は、ダイヤモンドコーティング (6~12 ミクロン厚) のラップ盤にかけて研磨します。プレートを動かして、均一な平面になるまで整えてください。
プレッシャープレート (5) のスプリングガイドキャップ (D) の状態を点検します。点検のたびに、必ずスプリングキャップ (2) を交換してください。
プレッシャープレートスプリングの点検
各スプリング (4) の自由長 "L" を測定します。
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この値よりも短いスプリングはすべて交換してください。
ハブ - ディスク - ドラム一式の組み立て
ドラム (10) にピン (E) 上の 3 つのスプリング (12) を挿入します。
ハブ (13) にクラッチプレートパック (7) を差し込みます。このとき 11 枚のドライブプレード (F) のうちの一枚から始めて、10 枚のドリブンプレート (G) と交互に組み合わせます。
ハブ (13) と一緒にクラッチプレート (7) をドラム (10) に取り付けます。
警告
ハブ (13) と一緒にドラム (10) を取り付ける場合、位置決めの切り込み (H) および (L) を合わせてください。
ドラム(10)にハブ(13)を固定するため、3 つのツール(88713.2591)を挿入します。
3 つのツール(88713.2591)を手で締め付け、スプリングの抵抗に勝つように、クラッチプレートとハブ(13)を一緒に手で押さえます。
参考
3 つのツール(88713.2591)をクラッチプレートが組み立てられる程度に軽く締めます。
APTC クラッチの取り付け
スペーサー (11) をハウジング (A) の上に取り付けます。
ハブ - ディスク - ドラム一式 (B) をハウジング (A) 内部に取り付けます。
参考
最後のクラッチプレート(M)は、他のプレートとずらして取り付けます。
安全ワッシャー (9) をメインシャフトに取り付けます。クラッチユニットにいっぱいまで取り付けます。
ナット (8) の合わせ面とギアボックスメンシャフトのスレッドに規定のグリースを塗布し、ナットを取り付け、メンシャフトのいっぱいまで手で取り付けます。
クラッチハウジングをツール(部品番号:88713.2556)を使用して固定し、ナット(8)が固定されたときに作用できるようにします。
ナット(8)を190 Nmのトルク(最小180 Nm - 最大200 Nm)で締め付けます(セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
ツール(88713.2556)を取り外します。
プレッシャープレート(5)をクラッチユニット(B)に取り付け、3 つのツール(部品番号:88713.2591)をプレッシャープレートの3つの溝(N)に合わせます。
ハブ (13) とプレッシャーディスク (5) に刻印された 2 つのコード (P) が同じ位置に並んでいることを確認してください。
各ホールにスプリング (4) およびスプリングキャップ (2) を差し込みます。
スクリュー(1)を対角線状に10Nmのトルク(最小9Nm - 最大11Nm)で締め付けます(セクション3-3、エンジン締め付けトルク)。
ツール(88713.2591)を緩めて外します。