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エンジンオイルレベルの点検
エンジンオイルの量は、エンジンオイルパンの右側にある点検窓 (1) から見ることができます。
エンジンを切った後、オイル液面が安定するまで数分待ってください。 オイルレベルの点検は、車体を垂直に保った状態で、停止したエンジンがまだ熱いうちに(ただしエンジンは切る)行ってください。
オイルレベルは、MINMAXの印しの間でなければなりません。 レベルが不足している場合は、オイルを補充する必要があります。 フィラー(2) を外し、規定オイルを所定のレベルまで補充してください。
フィラープラグ(2)を取り付けます。
エンジンオイルとフィルターカートリッジの交換
参考
この作業はエンジンが加熱された状態で (ただしエンジンを切って) 行ってください。オイルの粘度が低い状態なので、 すばやく完全に排出できます。
 
エキゾーストキャップ(3)をエンジンオイルパンからシール(A)と一緒に取り外し、使用済みのオイルを抜き取ります。
警告
使用済みのオイルおよびフィルターカートリッジは環境内に放置せず適切に廃棄してください。
 
ブリードキャップの先端の磁石部に金属片などが付着していないことを確認してから、シール (A) とともに再び取り付けます。
キャップ(3)を42 Nmのトルク(最小38 Nm - 最大46 Nm)で締め付けます(セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
ツール88713.2906を使って、オイルパンフィルターのカートリッジ(4) を取り外します。
重要
取り外したフィルターを再度使用することはできません。
 
ツール88713.2906を使って、新しいカートリッジ(4)を取り付けます。 シールをエンジンオイルで潤滑します。
参考
フィルターカートリッジ (4) にエンジンオイルを満たしてから取り付けることをお勧めします。 このようにすると、オイルを再び補充しなくても必要なオイルレベルが得られます。
所定の位置に締め込み、11 Nmのトルク(最小10 Nm - 最大12 Nm)で固定します(セクション 3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
オイル交換を 2 回行うごとに、オイルインテークのメッシュフィルターを清掃することをお勧めします。
外側のキャップ (5) を緩めて外します。
フィルター(7)を緩めて抜き取ります。
コンプレッションエアーとガソリンでフィルターを清掃します。その際、ネットを裂かないように注意してください。
メッシュフィルター(7)およびシール(6)をキャップ(5)に取り付け、42 Nmのトルク(最小38 Nm - 最大46 Nm)で締め付けます(セクション 3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
フィラープラグ(2)を取り外し、点検窓のMAXの印に達するまで規定オイル(セクション3-2、補給および潤滑油)を補充します。
フィラー(2) を閉め、エンジンを数分間アイドリングさせます。
オイル漏れがないことを確認し、インストルメントパネル上のランプがエンジン始動後数秒で消灯することを確認します。 そうでない場合は、エンジンを切り、必要な点検を行ってください。
数分後、オイルが規定のレベルになっていることを確認します。 必要に応じて MAX レベルまで補充します。
取り外したすべての部品を取り付けます。
バルブクリアランスの点検
バルブクリアランスの点検を行うには、ヘッドの 4 つのバルブカバーの作業を行う必要があり、そのため以下に示されたパーツを取り外してください。
ロックを開きくと同時に、ペグを外しやすくするためにシートのラッチ近くを下方に押し下げます。 シートを前部ストッパーから後方に引きながら抜き取ります。
タンクカバーを取り外します(セクション5-2、タンクフェアリングの取り外し)。
フレームにサイドタンクをフレームに固定しているスクリュー(1)を緩め、ワッシャー(2)を回収します。
リアタンクを固定しているスクリュー(3)を緩め、ワッシャー(4)を回収します。
フューエルシステムおよび配線を接続したまま、タンクを持ち上げ、バーチカルヘッドのバルブカバー(5)で作業ができるよう、必要に応じてタンクを保持します。
参考
ABSバージョンでは、2本の固定スクリュー(A)を緩めて外し、ブラケット(B)を取り外します。
スクリュー(6)をゆるめ、コンベヤー(7)(8)およびエアベント(9)を取り外します。
スクリュー(10)を緩め、スペーサー(11)と耐震ラバー(12)も回収します。
クーラー(13)をフレームピンからクラッチ側へ向けて抜き取ります。
ホリゾンタルおよびバーチカルヘッドのカバー(5)を固定しているスクリューをゆるめ、カバーを取り外します。
クランクシャフトの位置にあるカバー(15)の2 本の固定スクリュー(14)を緩めて外します。
ツール(部品番号:88713.0123)のハンドルをジェネレーターカバーの穴に差し込み、クランクシャフトを回し、点検するバルブをニュートラルの位置にします。
バルブがニュートラルの状態で、オープニングロッカーアームと調整シムの間にフィラーゲージを挿入し、クリアランスが規定値であることを確認します。
クリアランスの規定値は次のとおりです。
 
バルブがニュートラルの状態で、クロージングロッカーアームと調整シムの間にフィラーゲージを挿入し、クリアランスが規定値であることを確認します。
 
測定値が規定値以外の場合は、オープニング調整シムまたは/およびクロージング調整シムを"ロッカーアーム、シム、バルブの取り外し"(セクション9-4.4)の記載に従い、適切なツールを使用して、規定クリアランスのものと交換します。
参考
スペアパーツは、オープニング1.8 から3.45、クロージング2.2 から4.5 の調整ロッカーアームが用意されています。 調整シムのサイズはシム自体に記されています。
 
取り付け作業は、取り外し作業と逆の手順で行います。
エアフィルターの交換と清掃
エアフィルターは"定期点検表"(セクション4-2)に記されている規定の期間で交換しなければなりません。
ロックを開きくと同時に、ペグを外しやすくするためにシートのラッチ近くを下方に押し下げます。 シートを前部ストッパーから後方に引きながら抜き取ります。
タンクカバーを取り外します(セクション 5 - 2、タンクフェアリングの取り外し)。
フューエルタンクを取り外します(セクション 8 - 2、フューエルタンクの取り外し)。
フィルターカバー (2) を固定している 3 本のスクリュー (1) を緩めて外します。
フィルターカートリッジと一緒にフィルターカバー (2) を取り外します。
スクリュー (4) を緩めて外し、フィルターカートリッジ (3) をカバー (2) から取り外します。
コンプレッションエアーを噴射してフィルターカートリッジを清掃するか、新品と交換します。
重要
フィルターの目詰まりは、空気のインテーク量を減少させ、燃料消費量の増加、エンジンパワーの減少、およびスパーグプラグ内の付着物の原因となります。 車両使用時には必ずフィルターを装着してください。 フィルターを装着しないと外気に含まれる不純物がエンジン内に入り、故障の原因となることがあります。
 
フィルターボックスカバーにカートリッジを正しく取り付け、すべての構成部品および取り外した部品を取り付け、スクリュー(1)を5Nm±10%、スクリュー(4)は6Nm±10%のトルクで締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
重要
特に埃の多い路面や濡れた路面を走行した場合には、規定頻度よりも頻繁に交換を行ってください。
ブレーキオイルの交換
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
フロントブレーキオイルの交換
スクリュー(3)を緩め、フロントブレーキフルードタンク(2)からインナーキャップ(1)付きカバーを取り外します。
タンク (2) 内のオイルを吸引します。
次の作業をする再に、ブレーキフルードが飛び散らないようにするため、インナーキャップ(キャップなし)をタンク上に配置します。
ブレーキキャリパーのピストンを後に引きます: この作業を行うため、フォークレッグ上にキャリパーを固定しているスクリュー(4)を緩め、各キャリパーのパッドをそれぞれ離して押します。 作業中、フルードがタンクに戻るたびにフルードが吸入されなければならないため、フルードレベルに注意して下さい。
両キャリパーの全てのピストンを完全に引いた状態で、タンク内のフルードが全て抜き取られたら、端部を床に置いた容器に入れた透明のホースにブリードバルブ(5)をつなぎます。
新しいオイルをMAXの印に達するまでタンク(2)に注入します。
レバー端部を20~30mm引き、伸縮性の無いクランプでこのポジションを固定します。
 
ライダーから見た左側キャリパーのブリードバルブ(5)をゆるめ、オイルが排出されるように固定されているレバーを完全に引きます。
レバーはグリップに当たった状態です。
ブリードバルブ(5)を4Nm±10%のトルクで締め付け(セクション 3-3、フレーム締め付けトルク)、レバーを放します。
古いフルードが出切るまで上記の作業を繰り返します。
規定トルクで完全に閉じたブリードバルブの状態で、ブレーキシステムに圧力を感じるまでレバーを何度も引きます。
警告
古いフルードをタンクから抜き取った後、補充作業の間はオイルのレベルを常にMINの印より上に保ち、システム内で気泡が発生しないようにします。
リアブレーキシステムオイルの交換
リアブレーキオイルタンク(7)のキャップ(6)を取り外します。
ブリードバルブ (8) に透明のチューブを接続し、そのチューブの先端を床に置いた容器に入れます。
タンク (6) 内のオイルを吸引します。
新しいオイルをMAXの印に達するまでタンク(7)に注入します。
警告
補充作業の間、オイルのレベルを常にMINの印より上に保ち、システム内で気泡が発生しないようにしてください。
 
ブリードバルブ(8) からオイルを排出させて、排出されるオイルの色が変わるまで待ちます。
ペダルを 2、3 度踏み、ブレーキシステムに圧力がかかるようにします。
ペダルを踏んだままにします。
ブリードバルブ (8) を緩めて、オイルを抜き取ります。
ペダルは後方に全て踏み込んだ状態です。
この時点で、ブリードバルブ(8)を10Nm±10%のトルクで締め(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)、ペダルを放します。 一度ペダルを踏みます。
古いフルードが出切るまで上記の作業を繰り返します。
警告
古いフルードをタンクから抜き取った後、補充作業の間はオイルのレベルを常にMINの印より上に保ち、システム内で気泡が発生しないようにします。
ブレーキオイルの抜き取り
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
 
スクリュー(3)を緩め、フロントブレーキオイルタンク(2)からインナーキャップつきカバー(1)を取り外し、リアブレーキタンク(7)からキャップ(6)を取り外します。
フロントキャリパーのブリードバルブ(5)またはリアキャリパーのブリードバルブ(8)に、市販されているブレーキ用ブリーダーを接続します。
参考
市販されているブレーキ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
ブリードバルブを緩め、クラッチシステムからオイルが排出されなくなるまでブリーダーで吸引します。
ブリーダーが手元にない場合は、フロントブレーキキャリパーのブリードバルブ(5) またはリアキャリパーのブリードバルブ(8)に透明のプラスチックチューブを接続し、そのチューブの先端を使用済みブレーキオイルの入った容器に入れ、床に置きます。
ブリードバルブを緩めます。
ブレーキレバーを引くかブレーキペダルを踏んで、オイルを完全に抜き取ります。
各ブレーキキャリパーについて作業を行います。
参考(フロントシステム)
フロントシステムでのこの作業では、キャリパーはフルードを充填した状態です。 キャリパーのフルードも抜き取る必要がある場合は、"フロントブレーキオイルの交換"で記載されている作業でピストンを後方に引き、ブリーダーが取り付けられた状態で、ブリードバルブを接続します。
参考(リアシステム)
ブリーダーがない場合は、"フロントブレーキオイルの交換"に記載されている作業でピストンを後方に引きます。
ブレーキオイルの補充
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
 
タンク(2)および(7)に未開封の規定のオイルを補充します(セクション3-2、補給および潤滑油)。
重要
作業の間は、常にオイルレベルをMIN以上に保ち、排出されたオイルの中に透明ホースの先端を入れた状態にします。
ブリードバルブ(5)または(8)にブリーダーを接続します。
ブレーキレバーまたはペダルを引き、補充している間は引いたままにします。
参考
市販されているブレーキ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
ブリーダーで吸入し、ブリードバルブ(5)または(8)を緩め、タンク内のレベルが常にMIN より上であることを確認します。
システムから全てのエアは無くなるまで、この作業を続けます。
ブリードバルブ(5)を4Nm±10%、バルブ(8)は10Nm±10%のトルクで閉じます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
ブリーダーが手元にない場合は、ブレーキオイルの抜き取りと同じ手順で、ブリードバルブに透明プラスチックチューブを接続します。
レバーまたはペダルを半分、またはブレーキに圧力を感じるまで引き、ブリードバルブを開き、それからレバーまたはペダルを完全に引きます。 ブリードバルブを上記のトルクで締めて閉じ(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)、レバーまたはペダルを放します。
重要
バルブをしっかり締めてからレバーやペダルを放してください。
 
最終的にブリードバルブを閉じた状態で、レバーまたはペダルでの圧力が正常にかかるかを点検します。
ブリードバルブ(5)を4Nm±10%、バルブ(8)は10Nm±10%のトルクで閉じ(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)、保護キャップを取り付けます。
オイルレベルを調整し、スクリュー(3)を締めてカバー(1)をタンク(2)上に、またはキャップ(6)をタンク(7)上に取り付けます。
 
クラッチシステムフルードの交換
警告
クラッチシステムに使用されるフルードは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
 
スクリュー (3) を緩め、クラッチオイルタンク (2) からダイヤフラムカバー (1) を取り外します。
ブリードバルブ (4) に透明のチューブを接続し、そのチューブの先端を床に置いた容器に入れます。
タンク (2) 内のオイルを吸引します。
新しいオイルをMAXに達するまでタンク(2)に注入します。
レバーを 2、3 度引いて、ブレーキシステムに圧力がかかるようにします。
レバーをグリップの方に引いたままにします。
ブリードコネクター (3) を緩めて、オイルを排出させます。
警告
補充作業の間、オイルのレベルを常にMINの印より上に保ち、ブレーキシステム内で気泡が発生しないようにしてください。
 
ブリードバルブ (4) からオイルを排出させて、排出されるオイルの色が変わるまで待ちます。 ブリードバルブ(4)を再び取り付け、4Nm±10%のトルクで締め付け(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)、適切なレベルになるまでタンクにオイルを補充します。
クラッチシステムからのフルードの抜き取り
警告
クラッチシステムに使用されるフルードは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、流水でよく洗い流してください。
 
ブリードバルブ (4) に取り付けられている保護キャップを抜き取ります。
クラッチトランスミッションユニットのブリードバルブ (4) に、クラッチ用のブリーダーを接続します。
参考
市販されているクラッチ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
スクリュー (3) を緩め、オイルタンク (2) からダイヤフラムカバー (1) を取り外します。
ブリードバルブを緩め、クラッチシステムからオイルが排出されなくなるまでブリーダーで吸引します。
ブリーダーが手に入らない場合には、ブリードバルブ (4) に透明プラスチックホースを接続し、そのホースの先端を使用済みクラッチオイルの入った容器に入れ、床に置きます。
ブリードバルブを1/4 回転緩めます。
クラッチレバーを引いて、フルードを完全に抜き取ります。
クラッチ回路を完全に空にするには、3 本の固定スクリュー(5)を外して、クラッチトランスミッションユニットのサイドキャップを取り外すことをお勧めします。
クラッチトランスミッションユニット (6) を抜き取ります。
内側のピストンを押して、サイドキャップの内側に残ったオイルを完全に排出させます。
固定スクリュー(5)を10Nm±10%のトルクで1-2-3-1の順に締め付け、ラバーキャップの取り付け作業を行います(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
ブリードバルブ(4)を4Nm±10%のトルクで締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
 
クラッチフルードの補充
警告
クラッチシステムに使用されるフルードは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、流水でよく洗い流してください。
 
未開封の規定オイル(セクション3-2、補給および潤滑油)をタンク(2)に補充します。
重要
作業の間は常に、オイルを規定のレベルに保ち、排出されたオイルの中に透明ホースの先端を入れておきます。
 
クラッチレバーを数回引いて、クラッチ回路にオイルを送り、空気を排出させます。
ブリードバルブ (3) にブリーダーを接続します。
参考
市販されているクラッチ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
ブリードバルブ(4) を緩め、ブリーダーで吸引し、タンク内のレベルが常にMINより上である事を確認します。
ブリードバルブ (4) に接続された透明チューブに気泡が見られなくなるまで、この作業を繰り返します。
ブリーダーが手元にない場合は、ブレーキオイルの排出と同じ手順で、ブリードバルブ (4) に透明プラスチックチューブを接続します。
ブリードバルブ(4)を1/4回転開き、クラッチレバーを引き、フルードをブリードバルブ(4)から排出させます。
レバーをいっぱいに引いたまま、ブリードバルブを最低1/4 回転緩めます。
数秒間待ってから、 ゆっくりとレバーを放し、同時にブリードバルブ (3) を閉めます。
重要
バルブをしっかり締めてからクラッチレバーを放してください。
 
透明チューブから排出されるオイルに気泡が見られなくなるまで、この作業を繰り返します。
ブリードバルブ(4)を4Nm±10%のトルクで固定し(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)、保護キャップを取り付けます。
MINの約3 mm上までオイルを補充します。
ダイヤフラムカバーおよびカバー (1) をタンク (2) に取り付け、スクリュー (3) で締めます。
 
ステアリングベアリングの遊びの調整
ハンドルバーが自由に動きすぎる場合や、ハンドル軸に対してフォークの揺れが著しい場合は、ステアリングベアリングの遊びを次の手順で調整する必要があります。
スクリュー (1) 4本を緩めて外し、クランプ (2) およびハンドルバー (3) をステアリングヘッドから取り外して、後に続く処理の妨げにならないように置いておきます。
ステアリングヘッドにフォークを固定しているクランプところにあるスクリュー (4) を緩めます。
ステアリングヘッドにステアリングチューブを固定しているクランプのところにあるスクリュー (5) を緩めます。
専用ツール、部品番号:88713.1058を使用して調整リングナット(6)を30Nm± 5%になるまで回します(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
前に緩めたスクリュー(4)および(5)を24Nm± 5%のトルクで締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
 
ハンドル(3)を配置し、クランプ(2)を取り付け、スクリュー(1)に規定グリースを塗布し、4本の固定スクリューを25Nm±5%のトルクで1-2-3-4-3の順に締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
チェーンテンションの調整
リアホイールをゆっくり移動させて、チェーンを最も張った状態にします。
車両はサイドスタンドを立てた状態で、下側チェーンの中央部でチェーンを指で押して下げてからチェーンを放し、チェーンピンの中央部とスイングアームのアルミ部分との距離を測ります。 測定値6062mmでなければなりません。
チェーンテンションを調整するには、以下の手順に従ってください。
スイングアームにリアハブを固定している2本のスクリュー(1)を緩めます。
ピンレンチ(部品番号:88713.1038)の歯をエキセントリックハブ(2)に取り付けます。
適切なチェーンテンションが得られるまで、エキセントリックハブ(2)を回転させます。
チェーン側から見て、反時計回りに回すとチェーンテンションが増加し、 時計回りに回すとテンションが減少します。
重要
チェーンテンションが適切でないと、トランスミッションパーツの摩耗が早まります。
スクリュー(1)を外した場合は、ヘッド下とスレッド部に規定グリースを塗布し、スクリュー(1)を31Nm± 5%のトルクで1-2-1の順に締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
警告
エキセントリックハブの固定スクリューを正しく締め付けないと、ライダーおよびパッセンジャーの安全がおびやかされることになる場合があります。
ブレーキパッドの摩耗点検と交換
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、流水でよく洗い流してください。
重要
ブレーキパッドを交換した後で納車する時には、摩擦材をブレーキディスクに正しく定着させるために少なくとも100 kmはフロントブレーキを慎重に使用するようユーザーに伝えてください。
フロントブレーキパッドの摩耗の点検
キャリパーのスプリング (1) にある隙間から、パッド (2) の摩擦面に溝が見えていることを確認します。
重要
片方のパッドだけが摩耗している場合でも、両方とも交換する必要があります。
 
パッドの交換は次の手順で行います。
パッドを固定しているピンから、安全割りピン (3) を取り外します。
キャリパーピストンを完全に押し戻し、使用済みのパッドを広げます。
パッドを固定しているピン (4) を外側に向かって抜き取ります。
キャリパーの間にあるパッド固定スプリング (1) を外します。
摩耗したパッド (2) を抜き取ります。
参考
"ガラス状"に光るようなパッドは交換します。
新しいパッドと、スプリング (1) を挿入します。 合わせボルト (4) を挿入し、安全割りピン (3) で固定します。
ブレーキレバーを繰り返し動かして、ブレーキオイルの圧力でブレーキパッドを定着させます。
タンク内のブレーキフルードがMINより上にあることを確認します。少ない場合は以下に従い補充します。 ハンドルバーを回してタンクを水平にします。
2 本のプラススクリュー (6) を緩めて外し、タンクのカバー (5) を取り外します。
タンクから内側のインナーキャップを取り外します。
規定オイルをMAXレベルまで補充します(セクション3-2、補給および潤滑油)。
取り外した部品を再び取り付けます。
リアブレーキパッドの摩耗の点検
2つのキャリパーの隙間からパッド上の磨耗材が最低1 mm見えるかを点検します。
重要
片方のパッドだけが摩耗している場合でも、両方とも交換する必要があります。
 
パッドの交換は次の手順で行います。
パッドを保持しているピンからキャリパーの内側にあるセーフティリング(7)を取り外します。 キャリパーピストンを完全に押し戻し、使用済みのパッドを広げます。 パッドを固定しているボルト (8) を外側に向かって抜き取ります。
キャリパーの間にあるパッド固定スプリング (9) を外します。 摩耗したパッドをキャリパーから抜き取ります。
新しいパッドと、スプリング (9) を挿入します。 センタリングピン(8)を挿入し、セーフティリング(7)で固定します。
参考
"ガラス状"に光るようなパッドは交換します。
 
ブレーキペダルを繰り返し動かして、ブレーキオイルの圧力でブレーキパッドを定着させます。
タンク内のフルードがMINMAX間であることを確認します。それ以外の場合は、キャップを取り外してから補充します。
参考
パッドの交換作業が困難な場合は、キャリパーを取り外してから行います(セクション7-4、リアブレーキキャリパーの取り外し)。
警告
ブレーキキャリパーはバイクの安全を守る部品ですので、セクション7-3、フロントブレーキシステムの取り外しおよびセクション7-4、リアブレーキキャリパーの取り外しの記載に従い、特に取り付ける際、キャリパー固定スクリューを規定のトルクで確実に締め付けてください(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
スロットルコントロールケーブルの調整
スロットルケーブルは、ハンドルバーのどの位置においても、スロットルグリップの遊びが24 mm なければなりません。
スロットルグリップの遊びを調整するには、スロットルケーブルのアジャスター (1) を使用します。
スロットルケーブルの調整が必要な場合は、スロットルボディの右側にあるアジャスター(2)で調整します。
キャップを取り外し、ロックナット(3)をゆるめ、アジャスター(2)で規定クリアランスに調整します。
ロックナットを締め付け、保護キャップを取り付けます。
スロットルケーブルおよびチョークケーブルの被覆の状態を定期的に点検する必要があります。 被覆につぶれた部分やひび割れた部分があってはなりません。
ケーブルの滑らかな動作を維持するために、規定グリースを各ケーブルの先端に定期的に塗布してください。
スロットルグリップを動かして、インナーケーブルが滑らかに作動することを確認します。 摩擦やつかえがある場合は交換してください。
スロットルケーブルにグリースを塗布するには、2 本の固定スクリュー(5)を外し、カバー(4)を取り外す必要があります。
ケーブル (6) の先端とプーリーにグリースを塗布します。
カバー(4)のスライド溝(A)にケーブル(6)を通し、慎重にカバーを取り付けます。
2本のスクリュー(5)でカバーを1.8Nm± 10%のトルクで締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
クラッチレバーと フロントブレーキレバーの調整
レバー(1) でクラッチの接続を操作します。
この機種にはアジャスター(2)がついており、レバーとハンドルバー上のハンドル間の調整が可能です。
レバーの距離はつまみ(2)の4クリックで調整し、ポジション1はレバーとハンドルの距離が最も離れた状態で、ポジション4は最も狭い状態です。
 
レバー(1)を引くと、エンジンの回転がトランスミッションおよびホイールモーターに伝わらなくなります。 クラッチの適切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重要です。
フロントブレーキコントロールレバーでも同様の調整が可能です。
 
警告
クラッチレバーおよびフロントブレーキレバーの調整は、バイクを停止させた状態で行います。
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランスミッションの損傷を避け、車両の寿命を延ばすことができます。
参考
スタンドを降ろし、トランスミッションがニュートラルの状態でエンジンを始動させることができます。ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレバーを引いて下さい(この際サイドスタンドは降ろしません)。
ギアチェンジペダルとリアブレーキペダルの調整
ライダーの好みに合わせて、フットペグに対するギアチェンジペダルやリアブレーキペダルの位置を調整できます。
ギアチェンジペダルの調整は以下の手順で行います。
ロッド(1)を固定しながら、ナット(2)と(3)を緩めます。
参考
ナット(2)は、逆ネジになっています。
 
ギアチェンジペダルを好みの位置に定めながら、レンチでロッド(1)の六角部分を回します。
ロッドに対して両ロックナットを締め付けます。
リアブレーキペダルの調整は以下の手順で行います。
ナット(4)を緩めます。
ペダルが好みの位置になるまで、アジャスター(5)を回します。
ロックナット (4) を締めます。
ペダルを手で押して、ブレーキがかかり始めるまでに約1.52mmの遊びがあることを確認します。
規定の範囲内でない場合は、マスターシリンダーコントロールロッドの長さを次の手順で調整します。
ロッドの上にあるロックナット (7) を緩めます。
ロッドをフォーク (6) に締め込むと遊びが増加し、緩めると遊びが減少します。
ロックナット (7) を締めてロッドを固定し、再度遊びを確認します。
リアショックアブソーバーの調整
リアショックアブソーバーには、積載重量に合わせて車体の平衡状態を調整できるようアウターアジャスターを装備しています。
アジャスター(1)は、左側、ショックアブソーバー上部のリアサブフレームとの接続部にあり、油圧ブレーキのリバウンドダンピングを調整します。
アジャスター(1)を時計方向Hに回すとダンピングが強くなり、 反時計方向Sに回すと弱くなります。
 
標準設定: 全閉ポジションからの標準設定は以下のようになります(時計回り):
-
スプリングプリロード: 15 mm。
 
アブソーバー上部にある2つのリングナット(2)は、アウタースプリングプリロードの調整に使用します。 スプリングプリロードを変更するには、上部固定リングナットを緩めます。 下側のリングナットを締めるとプリロードが増加し、緩めるとプリロードが減少します。
警告
プリロードの調整リングナットを回す場合は必ず適切なタイプのレンチを使用し、慎重に動かしてください。そうでないと操作中にレンチのピンが突然リングナットの溝から外にはずれ出てくることがあります。 レンチのピンが急にナットの溝から外れると、手を車両の他の部分に強くぶつける恐れがあります。 ピンサイズの小さいレンチや、グリップ部の短いレンチは使用しないでください。
 
重要
スプリングプリロードを調整する時は、スイングアームの損傷を避けるため、181 mm を超えないようにしてください。
 
リアホイールを上げた状態でのショックアブソーバーのプリロードスプリングの標準長: 150±1 mm
警告
ショックアブソーバーには高圧のガスが充填されています。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因となります。
重要
パッセンジャーと荷物を載せて走行する場合は、リアショックアブソーバーのスプリングプリロードを最大に設定すると、 車両の操作性を高め、地面との接触を避けることができます。 この場合、リバウンドダンピングの再調整が必要になることもあります。
エキゾーストバルブBowdenケーブルの調整
参考
全てのモデルを同じケーブルで実施する手順です。
 
プロテクション(1)を取り外すには、スクリュー(2)をゆるめ、ワッシャー(3)およびスペーサーを回収します。
クランプ(4)(5)を外し、エキゾーストバルブモーターケーブル(6)を切り離します。
スクリュー(7)を緩め、ワッシャー(8)を回収し、エキゾーストバルブモーター(9)をリアナンバープレートホルダーサポートプレートから取り外します。
ケーブルの 2 つのニップルの間の六角形の頂点からのどのポジションに対しても実行します (垂直位置 (A) およびマークのある位置 (B) の間のポジションも含む)。
アジャスターロックナット(10)を緩め、アジャスターのリングナット(11)を最低4回まわして締めます。
DDSテスターを接続し(セクション6-13、テスターの電源)、"エキゾーストバルブの起動"作業に入ります。
作業ページの最初に作業の起動の選択があります。
"F6"を押し、閉じた状態のバルブを終了します。
停止したバルブとプーリーの当たり間の遊びが0.5mm~1.5mmの範囲になるようケーブル上にあるアジャスターを緩めます。
ロックナット(10)を固定します。
DDS画面の"X"ボタンを押します: 起動作業画面が閉じ、テスト選択画面を通さずに終了します。
DDSを切り離します。
キーをONにし、これらの作業後にニップル穴間にある六角部分(D)が印し(B)の場所で安定/停止しているかを点検します。
新しいモーターおよび新しいケーブルの交換および取り付け
モータープーリー上のシースの平面部から出ているケーブルニップルを図示の穴(A)に挿入します。
シース端部をモーターの所定の場所(B)に挿入します。
シース端部に留め具(C)を取り付け、ケーブルが外れないようにします。
図中の位置に矢印で示されているクリップを回します。
ケーブルをナンバープレートホルダーとプレート間の穴に挿入します。
バルブモーターをリアサブフレームプレートに配置し、2本のスクリュー(7)および2つのワッシャー(8)で取り付けます。
スクリュー(7)を10Nm± 10%のトルクで締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
電子ケーブルをモーターのセンターボディにL82ラバー製タイで固定します。
ケーブルが金属プレートの縁(図中の矢印部分)に当たっていないかを点検します。
ポジションを保持したまま、エキゾーストバルブのプーリーが当たるまで時計回りに回します。
ダストガードラバー(12)をシース端部から抜き取ります。
シース端部をバルブプーリー上部のプレートにある左側の穴に差し込み、ダストガードラバーを取りつけます。
ケーブルニップルを図示のプーリーの穴に取り付け、ケーブルにテンションを持たせるため、プーリーを解放します。
ケーブル端部をスナップリング(13)で固定します。
DDSテスターを接続し(セクション6-13、テスターの電源)、"エキゾーストバルブの起動"作業に入ります。
作業ページの最初に作業の起動の選択があります。
"F6"を押し、閉じた状態のバルブを終了します。
ケーブル上のアジャスターのリングナット(11)をプーリーに当たるまでゆるめ、更に1.5回転緩めます。
DDS上の"F9"ボタンを押します: テスト選択ページに戻ります。
"エキゾースト5サイクルテスト"機能に入るには"F8"を押します。
5サイクルテストが実施されます。
DDS上の"F9"ボタンを押します: テスト選択ページに戻ります。
"F6"を押し、閉じた状態のバルブを終了します。
ケーブル上のアジャスターのリングナット(11)を、プーリーの当たりまでの間が0.5~1.5mmの遊びになるよう締めます。
エキゾーストとバルブプーリーのフロントキー間の距離は0.5~1.5mm間で調整しなければなりません。
ロックナット(10)を固定します。
DDS画面の"X"ボタンを押します: 起動作業画面が閉じ、テスト選択画面を通さずに終了します。
DDSを切り離します。
キーをONにし、これらの作業後にニップル穴間にある六角部分(D)が印し(B)の場所で安定/停止しているかを点検します。
この時点で、結果が有効な場合は残りの作業に移ります。 結果が有効でない場合は、次に進む前に、エラーの原因を検索します。
最終点検
次の"KEY ON"時に、エキゾーストバルブが"完全に開いた"状態であるかを点検します: バルブプーリーの後部キーはエキゾーストトップスクリュープレート上に当たっていなければなりません。
使用済みモーターと新しいケーブルの取り付け
DDSテスターを接続し(セクション6-13、テスターの電源)、"エキゾーストバルブの起動"作業に入ります。
"エキゾースト50%テスト"機能に入るには"F7"を押します。
プーリーはモーターロッド上のニップルベース間に配置します。
モータープーリー上のシースの平面部から出ているケーブルニップルを図示の穴(A)に挿入します。
シース端部をモーターの所定の場所(B)に挿入します。
シース端部に留め具を取り付け、ケーブルがずれないようにします。
図中の位置に矢印で示されているクリップを回します。
ケーブルをナンバープレートホルダーとプレート間の穴に挿入します。
バルブモーターをリアサブフレームプレートに配置し、2本のスクリュー(7)および2つのワッシャー(8)で取り付けます。
スクリュー(7)を10Nm±10%のトルクで締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
電子ケーブルをモーターのセンターボディにL82ラバー製タイで固定します。
ケーブルが金属プレートの縁(図中の矢印部分)に当たっていないかを点検します。
ポジションを保持したまま、エキゾーストバルブのプーリーが当たるまで時計回りに回します。
ダストガードラバー(12)をシース端部から抜き取ります。
シース端部をバルブプーリー上部のプレートにある左側の穴に差し込み、ダストガードラバーを取りつけます。
ケーブルニップルを図示のプーリーの穴に取り付け、ケーブルにテンションを持たせるため、プーリーを解放します。
 
ケーブル端部をスナップリング(13)で固定します。
DDSテスターを接続し(セクション6-13、テスターの電源)、"エキゾーストバルブの起動"作業に入ります。
作業ページの最初に作業の起動の選択があります。
"F6"を押し、閉じた状態のバルブを終了します。
ケーブル上のアジャスターのリングナット(11)をプーリーに当たるまでゆるめ、更に1.5回転緩めます。
DDS上の"F9"ボタンを押します: テスト選択ページに戻ります。
"エキゾースト5サイクルテスト"機能に入るには“F8”を押します。
5サイクルテストが実施されます。
DDS上の"F9"ボタンを押します: テスト選択ページに戻ります。
"F6"を押し、閉じた状態のバルブを終了します。
ケーブル上のアジャスターのリングナット(11)を、プーリーの当たりまでの間が0.5~1.5mmの遊びになるよう締めます。
エキゾーストとバルブプーリーのフロントキー間の距離は0.5~1.5mm間で調整しなければなりません。
ロックナット(10)を固定します。
DDS画面の"X"ボタンを押します: 起動作業画面が閉じ、テスト選択画面を通さずに終了します。
DDSを切り離します。
キーをONにし、これらの作業後にニップル穴間にある六角部分(D)が印し(B)の場所で安定/停止しているかを点検します。
この時点で、結果が有効な場合は残りの作業に移ります。 結果が有効でない場合は、次に進む前に、エラーの原因を検索します。
最終点検
次の"KEY ON"時に、エキゾーストバルブが"完全に開いた"状態であるかを点検します: バルブプーリーの後部キーはエキゾーストトップスクリュープレート上に当たっていなければなりません。
使用済みケーブルと新しいモーターの取り付け
モータープーリー上のシースの平面部から出ているケーブルニップルを図示の穴(A)に挿入します。
シース端部をモーターの所定の場所(B)に挿入します。
シース端部に留め具を取り付け、ケーブルがずれないようにします。
図中の位置に矢印で示されているクリップを回します。
ケーブルをナンバープレートホルダーとプレート間の穴に挿入します。
バルブモーターをリアサブフレームプレートに配置し、2本のスクリュー(7)および2つのワッシャー(8)で取り付けます。
スクリュー(7)を10Nm±10%のトルクで締め付けます(セクション3-3、フレーム締め付けトルク)。
電子ケーブルをモーターのセンターボディにL82ラバー製タイで固定します。
ケーブルが金属プレートの縁(図中の矢印部分)に当たっていないかを点検します。
ポジションを保持したまま、エキゾーストバルブのプーリーが当たるまで時計回りに回します。
ダストガードラバー(12)をシース端部から抜き取ります。
シース端部をバルブプーリー上部のプレートにある左側の穴に差し込み、ダストガードラバーを取りつけます。
ケーブルニップルを図示のプーリーの穴に取り付け、ケーブルにテンションを持たせるため、プーリーを解放します。
ケーブル端部をスナップリング(13)で固定します。
DDSテスターを接続し(セクション6-13、テスターの電源)、"エキゾーストバルブの起動"作業に入ります。
作業ページの最初に作業の起動の選択があります。
"F6"を押し、閉じた状態のバルブを終了します。
ケーブル上のアジャスターのリングナット(11)を、プーリーの当たりまでの間が0.5~1.5mmの遊びになるよう締めます。
エキゾーストとバルブプーリーのフロントキー間の距離は0.5~1.5mm間で調整しなければなりません。
ロックナット(10)を固定します。
DDS画面の"X"ボタンを押します: 起動作業画面が閉じ、テスト選択画面を通さずに終了します。
DDSを切り離します。
キーをONにし、これらの作業後にニップル穴間にある六角部分(D)が印し(B)の場所で安定/停止しているかを点検します。
この時点で、結果が有効な場合は残りの作業に移ります。 結果が有効でない場合は、次に進む前に、エラーの原因を検索します。
最終点検
次の"KEY ON"時に、エキゾーストバルブが"完全に開いた"状態であるかを点検します: バルブプーリーの後部キーはエキゾーストトップスクリュープレート上に当たっていなければなりません。